よりそうって何だろう.2

去年の暮れから今年にかけて二人の患者さんが介護施設にはいられました。施設に送る治療経過報告書を書きながら、義歯の下に残した歯根の先行きに不安を感じました。通院が難しくなってきているのは把握していましたが歯牙保存にこだわり、患者さんの希望にも応えたつもりでした。前述のテレビ番組では長谷川さんが口にした「認知症になる前と後で目の前の景色は何も変わらない」という言葉が印象的でした。先を見越して抜歯の提案をする自分がまだ意思疎通のできる患者さんの目にはどう映るのでしょう。ただ割り切れないからといって中途半端な対応をしていると施設の話はすぐにやってくるのです。