不要不急の選択の先に。

テレビやネットで歯科に対するネガティブな情報が次々と拡散される中、当院でもコロナの対応に頭を悩ましていました。定期検診は先延ばしにしてもらいましたが、初期治療途中の患者さんはどうしても決めきれず、ご自身の判断にゆだねることにしていました。患者さんの中に染色部位減少でプラ-クコントロールがいいところまでいったのに、ブラッシングのレベルが後戻りしたまま中断を選択された方がいました。モチベ-ション維持の問題から「初期治療は不要不急じゃないのにね…。」と衛生士と二人して肩を落としていました。そして7月に再来院。ところが驚いたことに染色部位はほとんどありませんでした。来院されない間は通院中よりもさらに気合いをいれて時間をかけて磨かれていたそうです。歯肉もそれに充分こたえて反応していました。衛生士も単なるアシスタントではなく自分が患者さんを治しているというプロとしてのやりがいを、この成果からより実感できたのではないでしょうか。当院には最新の設備も外国製の機器もありませんが、ブラッシング指導のときの情熱は少しだけ誇れるような気がしています。