バイオフィルム・プラーク・歯石

バイオフィルム


実のところ、バイオフィルムというのは歯科治療に限定された用語ではありません。たとえば、風呂場の排水溝にある「ヌルヌルした付着物」もバイオフィルムです。同じように、池の中にある岩の表面にある「ヌルヌルした付着物」だってバイオフィルムです。「無数の細菌によって形成される構造体」であれば、どんな場所に存在していてもバイオフィルムと呼ばれます。口腔バイオフィルムを指している場合、「口腔内に住みついている細菌の塊」を指します。より正確に表現するなら、「細菌本体と、細菌が分泌した物質」の集合体です。ただ、バイオフィルムと表現する場合は、「細菌同士が情報伝達をしながら共存する構造」という意味合いがより強くなります。

プラーク


デンタルプラークという言葉を用いると、「虫歯・歯周病の原因となる細菌の塊」という意味が強調されます。つまり、物質的には「バイオフィルム=プラーク」ですが、少しニュアンスが異なるわけです。日本語では歯垢と呼ばれます。

歯石


プラークが「唾液中のミネラル」と反応し、石灰化したものです。表面に目に見えないほど細かい穴があいていることから、虫歯菌・歯周病菌の住み処になります。特に「歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)」に歯石ができると、歯周病の原因になります。歯茎より上にできる歯石(歯肉縁上歯石)は乳白色、歯周ポケットにできる歯石(歯肉縁下歯石)は赤褐色をしています。