欠損の流れ【10】

~流れにさからわないという戦略~

10歯以下になって上下ともに中央に残存した形態は、安定しており欠損の流れは穏やかなものとなります。しかし決して止まったわけではありません。そこからの10年、患者さんが80代に入ってからの10年は今までとは違ったものになるという認識が必要です。4犬歯を軸に考えても虫歯による歯冠歯根破折のリスクもあり、さらに安定した定型やパタ-ンを探すことはあまり意味がないのかもしれません。それよりもメインテナンスがしやすく、歯牙を失っても新たにつくりかえる必要のない義歯のかたちを考えてあげることが、個別対応をするにしても最低限の思いやりだと考えています。