テレスプ形態の仮義歯をいれ残根の保存を探っていたのですが、
どうも調子が良くない。食事をすると痛みがでるそうなので、咬みあわせを
ゆるめたり粘膜面を削合したりして対応していたのですが、いっこうに痛み
がとれません。日に日に粘膜面はボコボコのイレギュラ-した形になり
情けないことに患者さんのほうで安定剤のあつみをかえて使用されていた
そうなのです。
するとまったく咬みあっていない8番のインレ-が脱離した途端、ウソのように
ピタッと痛みが止まりました。人工歯も配列していないですし、
クリアランスも十分あるにもかかわらずです。
思い込みは時として診断能力を鈍らせます。犯人捜しに行き詰まった際には
あらゆる可能性を考慮した捜査の洗い直しが必要であることを勉強させて
もらいました。
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