欠損の流れ【再⁹】

~はずせない義歯、はずさない義歯~

80代の患者さん。これまで上手にはずせていた義歯が徐々にはずすことが難しくなってきました。ご家族の協力度も必要になってくるわけですが、定期的なプロフェッショナルケアの際に一週間ちかくも義歯をはずさないで生活されていることが多くなってきたのです。粘膜は炎症をおこし、歯牙も虫歯のリスクにおかされています。ところが支台歯を一本、また一本と失っていくにことで取り外しが容易になり本人もご家族も安堵されているという皮肉な結果となりました。

よりはずれにくい義歯を目指してこれまで治療を行ってきました。思いは複雑ですが、自由にはずせて清潔に洗えることのほうが優先順位が上がったのです。