欠損の流れ【18】

歯根破折をおこした大臼歯の手前の小臼歯には垂直的な動揺がありました。自然移動に時間をかけると歯根膜量の多い遠心側に寄り添うように延出。二次固定効果もあり動揺は全くなくなりました。残存歯の多くが歯冠歯根比が逆転しているような口腔内ですが、70代後半にむかって咬合力が弱まっているようには思えません。それでも初診から喪失したのは左下6番一本のみ。欠損の流れはきわめて緩やかなのです。