オーバーデンチャーを考えるとき⑦

82才男性。上顎の加圧因子を封じ込めるためにオーバーデンチャーに舵を切ってから3年、問題なく経過しています。斜面状の吸収、歯牙の廷出傾向に対して早めに打って出たつもりですが残根にして義歯をのせれば顎堤の落差が抑えられるか…

オーバーデンチャーを考えるとき⑥

下顎前歯の抜歯により前方でのかみ癖は影をひそめ上顎の仮義歯の動きはおさまりつつあります。今度は両側下顎臼歯部粘膜全体に炎症がおきはじめました。 しばらくは毎週のように調整におわれましたが、ある時期をさかいに調子がいいと口…

オーバーデンチャーを考えるとき⑤

上顎前歯部領域および下顎両側臼歯部がすれて痛くて咬めない。カピカピになった義歯の緩衝剤の厚さをみてもどれだけおつらいかが忍ばれます。 いまさらオーバーデンチャーにしても顎堤が突き上げるため義歯の回転はなかなか止まりません…

オーバーデンチャーを考えるとき④

咬合平面をそろえた後も患者さんは歯根膜のあるところで咬みたがりそれがくせとなって80代にはいってからも左下の粘膜に不定期に傷をつくっては来院されました。 あるとき何故かピタッと一年くらい来院が途絶えました。その理由は痛み…

オーバーデンチャーを考えるとき③

75才男性。残根を抜きたくない思いも一緒に前医より引き継ぎました。上あごの顎堤はかなり廷出しており、それにあわせた義歯を入れたためかその後は調整に追われることとなりました。 オ-バ-デンチャ-を考えるときが遅すぎたのでは…

オーバーデンチャーを考えるとき②

左下の犬歯が自然脱落で来院。残された一本に対する思いは前述の患者さんといっしょです。やっかいなのは顎堤をひきつれて延出し始めているところです。 年齢は70代、これから20年として今後ゆきちがう顎堤に苦しまないためにはどう…

オーバーデンチャーを考えるとき①

「ぐらぐらして痛いからもう抜いちゃって」と来院されてからもう13年が経とうとしています。 患者さんの年齢も70代後半になりました。その間いろいろと身体のほうには問題が見つかったそうですがお口の中はいたって元気。 恵まれた…

欠損の流れ

川の流れを見ると欠損歯列を思い出し、欠損歯列を見ると川の流れを思い出す。これは職業病なのでしょうか・・・。 最近思うのが経過を追っている中でたとえ支台歯を失ったとしても、それを織り込み済みの設計であれば終末像への流れは緩…

上下顎中央残存型⑨

今回の連載のきっかけは、この1枚のパノラマです。 ”欠損歯列の改変などに舵を切る場合にも、何がどの時点で必要になるかを知っておくことは何にもまして必要不可欠なことである” (ヒストリーからの分類より) 二次固定という武器…

上下顎中央残存型⑧

上顎無歯顎のシングルデンチャ-は抜群の安定感です。高齢者の治療の着地点として申し分ないと思います。 そんなイメ-ジをもったなか臼歯部をインプラントで補強し疑似的に下顎の歯列が作り上げられた時、(予知性の少ない!?)グレ-…