上下顎中央残存型⑨

今回の連載のきっかけは、この1枚のパノラマです。 ”欠損歯列の改変などに舵を切る場合にも、何がどの時点で必要になるかを知っておくことは何にもまして必要不可欠なことである” (ヒストリーからの分類より) 二次固定という武器…

上下顎中央残存型⑧

上顎無歯顎のシングルデンチャ-は抜群の安定感です。高齢者の治療の着地点として申し分ないと思います。 そんなイメ-ジをもったなか臼歯部をインプラントで補強し疑似的に下顎の歯列が作り上げられた時、(予知性の少ない!?)グレ-…

上下顎中央残存型⑦

ここからが本題。 コ-スコントロ-ルといっても初診時すでに70代をこえられているわけですから天然歯保存につとめていくのみです。 ①や②などはその結果、上下顎中央残存型のシルエットに近づくかもしれません。 ③は顎堤が吸収し…

上下顎中央残存型⑥

上下顎中央残存型の形態に持っていきたい場合、カギとなるのは上顎前歯部だと考えています。 高齢者の歯科治療の場合、残存歯が少なくなってくるとアイヒナ-の分類などとは違い前歯部分の咬合支持の評価を重要視せざるを得ません。 残…

上下顎中央残存型⑤

下顎前歯部の叢生や上顎と下顎の歯冠の幅径の差などから支持している箇所は前の患者さんと比べると少ないです。 歯式で表せばほぼ変わらないのに欠損形態を分類することがいかに難しいかよくわかります。 それでもこのシルエット、バラ…

上下顎中央残存型④

69才のとても気さくな女性。 前の患者さんとは上下逆さまになったような口腔内です。 ところがこちらはほとんどかめない。 残存歯数、咬合支持数もほぼかわらないはずなのに、あわない入れ歯に苦しみ顎堤の状態もあまりよくありませ…

上下顎中央残存型③

結局、既存の状態を極力触らずに支台歯の状態を探ろうと仮義歯を入れました。 顎堤がしっかりしておりその後よく噛めるとほとんど調整なしに患者さんは来られなくなりました。 そして2年後、経過を見るために無理して来てもらいレント…

上下顎中央残存型②

欠損補綴

高齢者補綴のひとつの終着駅としてシングルデンチャ-がありますが少数歯残存になるまでに別の落ち着き先がないものか探しています。 そんな時一人の患者さんが歯茎の痛みを訴えて来院されました。 歯周病に罹患し多数歯を失い今回はそ…

上下顎中央残存型①

グラスに見えるか、話をしている二人に見えるのか、同じものでも人によって捉え方は変わってきます。 高齢者の患者さん、特に70歳以上の患者さんが当院の大部分を占めるようになってきました。 この方たちの進行中の欠損をいかに止め…