オ-バ-デンチャ-の話をするとき、患者さんに自転車の補助輪をイメ-ジしてもらっています。子供は初めて自転車に乗る際、まず補助輪で走る感覚、バランスを体感します。まず何より安定して走ることが大事。転けてばかりでは自転車そのものを嫌いになってしまいます。その感覚をもたせたまま、片輪ずつ補助輪をはずしていく。義歯も同じでいきなり新しい顎位を与えても混乱します。よほどの偏位がなければ出来るだけ歯を保存させたもともとの固有の顎位で新製していく(義歯を嫌いにならないように…)。咬合が安定さえすれば、寿命がきた義歯床下の歯を一本ずつ抜歯したとしても患者さんが大きく困ることはないでしょう。顎堤保全の面からしてもメリットがあります。80代にはいって外すどころか3つも4つも補助輪を増やしたくないところです。
超高齢社会にむけて”患者さんの年齢に応じたちょうどいい医療”を歯科でも考えていかなければなりません。