最後の1本となってからは支持としての機能も怪しいところですが、12年にもわたる必死のメンテナンスが無駄だったとは思いません。
理想の咬合接触ではありませんが、多少の咬耗はあったとしても記録が残っていた9年前、左下の犬歯を失った2017年、無歯顎となった2021年とほぼあたりに変化はありません。ここまで咬合が安定したのは、動揺があったとしても両側の犬歯が感覚受容器として旧義歯の顎位の踏襲に欠かせない存在になっていたからだと推測しています。そして無歯顎・総義歯となったこれからも下顎位の安定が得られれば、めざしていた軟着陸にたどりつけたことになります。